<よかネット>No.68 2004/3
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アジア交流はそれぞれの国の文化を知ることから
                本田正明

 ●アジア・アジアといいながら、本当はアジアのことを何も知らなかった

 昨年末ぐらいから、呉 善花(オソンファ)の「スカートの風」という本にはまった。その中で初めて韓国では1991年までは女性に戸籍が認められていなかったことなどや、職人などの技術者はランクの低い人間に見られていることなど、これまで全く知らなかった韓国社会の一面を知った。出てくる話の多くが、日頃まったく意識しないようなことばかりで、いかに自分が韓国やアジアのことについて知らないかを思い知らされた。

 仕事の中で‘アジアとのネットワーク’というような言葉を使っていたことを思い出し、恥ずかしくなったので、せめてこれからは、そんな思いをしないで済む程度にアジアのことを知ろう、という思いで今回の地域ゼミを企画し、林先生にお話していただいた。

住んでみたインド・韓国・台湾・日本の文化の違い

林先生はアジア経済、韓国経済論などが専門の先生で、1965〜1967年にインド、1984年〜1986年に韓国、2001〜2002年には台湾に滞在されている。3日間ほどの短期滞在を含めると62カ国を訪れており、アジアではラオスとブータン、モンゴル以外は訪れているそうだ。今回は1年以上滞在したところを中心に、滞在している間に感じた文化の違いを日本も含めて話していただいた。

 実際に林先生が体験した出来事をもとにした文化の違いについての話だったので、非常にわかりやすくておもしろい。インドでは“yes”のときに首を横にふるので、物を買うときに首をかしげたりすると売りつけられることがよくあるそうである。また韓国の人は、日本に来たときに御世話をしても、帰ってからお礼状などを送ってこないが、逆にこちらが韓国にいったときには、こちらがお金を使えないくらい面倒を見てくれる。そのかわり、日本に来たときはそのお返しをしないといけないのだが、日本人はそういうことを知らなかったり、慣れていないので冷たいという印象をもたれるそうである。

宴会で乱れてはいけない台湾と乱れなければならない韓国

 韓国と台湾の違いを一番表しているのは、お酒の席の対応であるらしい。韓国で宴会すると、最初は静かに飲んでいるのだが、最後に酔っぱらって喧嘩になるそうだ。これは、親しくなると本音に徹底してやり合うという親しみの表現である。中国式は違って、誰々先生の健康を祈って乾杯いたしますといった感じだが、台湾はそれに似ていて、さらに酒を飲まないでお茶だけの宴会というのも半分くらいあるそうだ。さらに中国とも違って台湾ではベジタリアンのための料理が発達していて、酢豚だとか北京ダックと同じ色をした料理などがあるそうだ。

文化を知る交流の機会・場がまだまだ少ない

 林先生の韓国や台湾の文化の違いの話を聞いて以来、海外から日本に来ている人は日本をどう見ているのかということが非常に気になって、韓国・マレーシアの人と話す機会があった際、日本人をどう思うかということを聞いてみた。すると「仕事でミスをしたりしても、日本人は極力本人が傷つかないように配慮するから、自分が日本人の感覚とずれていたりすることをわざわざ教えてくれたりしないですね。自分が敏感になって意識していないと文化の違いによる問題になかなか気づかない。」「韓国では相手の間違いなどをすぐに指摘してあげることが親切なのだけど、日本はまるで反対。」ということをいわれた。

 それを聞いて「スカートの風」の中で、おおかたの日本人は、相手から学ぶことには熱心な割には、相手に教えようとする意識が希薄なように思う、ということが書かれていたことを思い出した。ただ、それは日本人が教えたくないわけではなくて、「ちょっと助けて、などと言えば必ず教えてくれる」と著者本人が書いているように、きちんと意思表示があればいいわけである。ただ、こういった文化の違いに気づかずに、苦労するケースが多いのかもしれないと思った。

 アジアとのネットワークをつくるためにも、そういったささいなことだけど大きな文化の違いにもっと敏感にならないといけないと感じた。

(ほんだ まさあき)

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