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仲間が集まって、思い思いの田舎芝居ができる都市計画 |
| 「規制・誘導」という言葉が嫌いである。この言葉には、正しく導く人と愚かな導かれる人というイメージがあるが、実際は強引にうまいことする人と、それができない人に分かれていた(念のために書き添えると、私は線引きを否定だけしているのではなく、今からでも必要なところはあると思っている)。 ところがこの本には、それぞれの“思い”が生かせるようになっていますよ、と書かれている。ひとくちで俗な言葉で括ると「2000年の都市計画法改正は、規制緩和をして土地需要を増やし、地価が上がるまちにしようというねらいだったのに、その手続きを自治体に委ねたために、自主的なまちづくりの動きが起こったり、規制強化さえ起こっている」という意味を示している。そしてこのことを柳沢さんが「問題提起」にまとめています。 まず、この序章を読むだけでなんだかスリリングな気分が味わえます。今までの都市計画では大体が、誰が、どんな方法が「正義の味方か」という話があると、チャンチャンバラバラがなくなった。そのかわりに舞台裏の方で、どこかで線が引かれ、その「右か左かで金もうけのための天国と地獄を分ける」ということであった。まことに味も身も蓋もない話で、陰々滅々たるパントマイムであった。 15年くらい前に「再開発地区計画」という制度ができたとき、「柳沢さん、容積負けてもらっても使えるのは東京くらいだし、補助金も増えそうにないし、こんな制度は意味ないんじゃないの」と話したことがある。「いや実は、この都市計画としての白地づくりという意味もあるんですよ」といって諸々の説明をしてくれたことがある。そのときは、「そこまでできるなら意味があるかもしれんなあ・・」という思想を持った。たしかにうまく運用すると、相当に計画区域内の人々の“思い”を実現する手法でもあり得ると思えた。 今回、柳沢論文を読んでいて、すぐにその時の話が思い出された。 たしかに、今回の法律では周辺の了解を得ておけば、仲間が集まって「自分たちの好みのストーリーで、気心の知れた配役で田舎芝居をやってもいい」という気がする。 以上、少々訳の分からぬことを書いたが、この本は柳沢をはじめとして、日本の錚々たる人々が、「都市農村の新しい土地利用戦略」を述べている。新しい考え方の都市計画で、「一丁やってみようか」と思う人のための手引きに最適の本と思います。ぜひに一読を! (糸乘 貞喜) |