<よかネット>No.63 2003/5
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発想する会社

この本は、九大のS先生から「おもしろいよ」と紹介されて読んだ本であり、本当におもしろかったので紹介したい。
本書は、プロダクト・デザインの世界では相当に有名な会社(小生は知らなかったが)である「IDEO」の企業文化を会社の内側から紹介している。目次をみるとまるで、最近本屋に並んでいる「こうすれば会社は変わる」とか、「イノベーションはこうしておこせる」とか、理念的なこと、マネジメントの方法を抽象的に書いているその辺の本と一緒かなと思っていた。
しかし、中を読んでいくと、全くそういう理論・理屈ではなく、IDEOが取り組んできたデザイン開発をはじめとした様々な事例をベースにして、イノベーションのプロセス、その現場・雰囲気が随所に描かれている。
とくにブレインストーミングとプロトタイプ制作の持つ重要性については、デザインに関わっている人たちだけでなく、つねに新しい発想を求められている人、クリエイティブな仕事をしている人たちにとっては非常に参考になるし、日頃の仕事ぶりを反省する材料にもなるのではないだろうか。参考までに、「ブレインストーミングを台無しにする6つの落とし穴」にかかれているのは、
1.上司が最初に発言する(さあ考えてくれという発言に心当たりは?)
2.全員にかならず順番がまわってくる(参加する義務にしてしまいがち)
3.エキスパート以外立入禁止(素人はだめという先入観)
4.社外で行う(気分を変えて、よくあるケース)
5.ばかげたものを否定する(常識しか要らなければやる意味は無い)
6.すべてを書きとめる(記録にエネルギーが吸い取られる)
であり、ブレインストーミングを無駄に終わらせないための禁止事項と書いてある。思い当たる事項が結構ある。インスピレーション、発想の原点、目的を取り違えてはいけないということであろう。本書は全体に常に「遊び心」を持ち続けること、つまり「やってみる」「つくってみる」とか失敗を恐れないで、その失敗から何を学ぶか、そして前進することの大切さが随所に語られている。             (山辺 眞一)









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