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本誌54号で首が痛くなった話を載せたところ「自分も同じ苦しみを抱えている」という人は結構多いようで、かなりの方から連絡をいただいた。
そんな折、今年に入ってイゴス・システムアトリエの山口ひろこさんから「奇術マホイ」なる先生を紹介された。曰く「体の悪い箇所をその先生に触られると涙が出るくらいに痛い」「腎臓や胃潰瘍の悪い人も結構良くなった」「首やヘルニアは得意中の得意」「どこも悪くない人には無理に手を加えたりはしない」。
私の病状は、しばらく整形外科にかかったせいもあって大分状態は良くなったが、日によってまだ頭が上から押さえ込まれるような違和感がありスッキリとはしていない。こんな状態が、もう4ヶ月も続いている。
山口さんには昨年のベトナム旅行の腹痛のとき梅エキスで助けてもらったこともあり十分に信用できる。「とにかく一度来てみたら」と言われ、気軽な気持ちで指定されたお寿司屋さんに土曜日の朝9時30分に向かった。「すし小山」に入ると、大将はお店の仕込みの最中で、店の奥の間では私の前のお客さんが先生に対面しているようだ。
座って待っていると「ここは痛いですか?これはどうですか?」「痛くないです。あっ、痛たたたっ!」とかやりとりが聞こえてきて不安感がふくらむ。
本当は一抹の不安があった。人には遠慮してとても言えなかったのだが「奇術マホイ」のイメージが一人歩きして、心の中で色々といけない想像をしてしまう。その先生はたぶん、鎖のついた眼鏡をかけて、口ひげを生やし、マントを来ていて、先が尖って上を向いた靴を履いて、ステッキを持ち、シルクハットが似合う、そんな人に違いない。
いよいよ私の時間になったので、靴を脱ぎ3畳ほどの畳の間に入ると、姿勢のいい白髪の先生がニコニコ顔で待っていた。隣では奥さんが新聞を拡げて眺めている。差し出された名刺をみると「奇術マホイ」と書いてある。想像していた奇術の先生とはかなり違った。それに日本人だった。
ここでの手順は、まず痛みの箇所・状況、体調を紙に書いて、それから話をしながら体の悪い箇所に触れていく。私の場合は首だ。「はい、ここを押していますから、無理しないで首をどこまで横に向けられますか?」といわれて右を向こうとするが、痛みであまり顔が向けられない。「そこまでですか?そこまでしか曲がりませんか?痛いですか?」と聞かれるので「はい」とか「いいえ」とか返事をしながら言われたように少しずつ縦・横に首を動かすようにしてみた。5分間ほどして「はい、先程と比べてどうですか?」といわれた。動かすと本当に不思議なことで、首がかなり軽く動かせる。先生の説明では頸椎と頸椎の間の軟骨の変形だから、まずは動かしやすくするために首の周りの筋や筋肉をほぐしたのだという。
時間に余裕があり、心の余裕も出てきたので、ついでに他の部分も見てもらった。畳の間にうつぶせに寝そべって、腰回りから足のヒザの付近、背中などを触ってもらうと、これが非常にくすぐったい。ガマンできずに体をモジモジしていると「もうこれはどこも悪くなか」と言われた。これを胃腸や腰の悪い人にやると泣くほど痛いそうである(翌週、その評判を聞いてフラフラと訪れた新入社員のHは、ひざ・腰・ひじ・足首・頭など全てが悪いということで「もう何遍か来い!」と異例の宣告を下されたらしい)。
大体30分が過ぎたので、小山の大将に謝礼を預けて店を出たのだが、マホイ先生には「もう大丈夫」といわれた。そして、あれから2週間以上経つが、その後も首が軽くなった状態は続いている。興味のある方はご一報を。 (尾崎 正利)
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