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私が別府に行くのは2回目であり、小学生の修学旅行以来だった。近頃よく行く温泉地といえば、湯布院や黒川温泉ばかりだったので、別府に懐かしさを感じたのと、留学生が3名参加するので、何か新しい発見があるかもしれないと思って参加した。
この旅行は、私が学生のときにいた研究室の友達が、オランダやフランスから来ている留学生と週末をいっしょに過ごそうと企画したものだった。私が去年、たまたまオランダで、2ヶ月働いた経験があったので、話が弾むだろうと呼ばれたのだが、実際には通訳として、かなりこき使われてしまった。
●写真好きは日本人らしさ
別府に向かうバスの中で、別府の印象を小学生時代のおぼろげな記憶をたよりにたどってみると、高崎山で猿を見て、地獄めぐりをして、杉乃井パレスで昼食とお土産を買った記憶しかなく、温泉とは入るところではなく「見る物」なんだとずいぶん長いこと信じていたことを思い出した。
参加メンバーは学生がほとんどであり、彼らは、バスに乗るなり、さっそく写真を取り始めたのだが、留学生たちは、なぜこんなところで写真を撮る必要があるんだろうと不思議そうな顔をしながら、いっしょに写っていた。別府についても、日本人は入り口や何か目印になるものがあれば、とりあえず写真を撮っておこうとするのに対し、留学生たちは自分が感動したり、印象に残ったところだけを写真に撮っていた。個人よって写真の撮り方は違うのだろうが、日本人が写真好きだと外国人に言われるのがよくわかる気がした。
●英語のガイドおじさんたち
別府はさすがに観光地の老舗であり、ちょっと道に迷ってきょろきょろしていれば、すぐに誰かが飛んできてアドバイスをしてくれたり、案内してくれた。ちょっとサービスが過剰な気もしたが、観光地としての自覚は高く、外国人でもわかるように、ジェスチャーなどの動きを交えて、説明してくれるのでとてもわかりやすかった。また外国人用の観光案内所にも寄ったのだが、てっきり若いお姉さんが受付をしていると思っていたのに、そこには普通のおじいさんがたのしそうに英語で案内をしており、ジョークもときどき交えながら、さまざまな国の人と会話をしていた。地元に詳しい年輩の方が、英語をしゃべる姿はとても新鮮であり、別府には貴重な人材がいるのだなと感心してしまった。
ふらりと入った食堂では、お店のおじさんが多国籍な顔ぶれに大いに感動し、いろんな観光資料をくれるばかりか、あまり観光客がいかない穴場の場所を教えてくれた。その中で実際に訪れた貴船城は、高台の上にあり、天守閣からは温泉の煙の上る別府市を一望することができた。その城のガイドをしているおじさんもまた英語をしゃべることができ、熱心に説明してくれたのだが、外国人にわかりやすくするために意訳もちょくちょくしてるよともらしていた。貴船城は、ほとんど木材だけで立てられており、女の子たちは不安定な足場などにびくびくしていたのだが、建築に関心のある留学生は、ここばかりは日本人の誰よりも写真を撮る枚数が多かった。
●日本らしい土産といえば・・・
留学生たちは、別府であまり印象に残るお土産を見つけることができなかったのか、3人ともあまり買い物はしなかった。日本を出るときにも、何も買わないつもりのか疑問に思ったので聞いてみたところ、英語の字幕があるならゲームボーイとデジタルカメラを買いたいといっていた。やはり日本製の電機製品は質の高さに定評があるのだそうだ。彼らから見れば、それらの電機製品はりっぱな日本のお土産かもしれない。私はお土産といえば、どうしても文化的なものを浮かべてしまうので非常に驚かされてしまった。
●別府のみどころとは?
別府を温泉街として見ると、今更ながらに不思議なところだなと思ってしまう。いくら温泉熱を利用しているからといっても、なぜ熱帯魚やワニを見せ物にしているのだろうか。ましてや、動物園になっているところまである。スコットランドからきている女の子は、元気のない動物たちをみて、非常に不機嫌そうな顔をしていた。別府はなにやら、”うり”にするものをどんどん無計画に増やしすぎて、いったい何をお客にみてもらいたいのかわからなくなっているような気がする。入りたくなるような温泉の名前が浮かんでこないのは、自分の勉強不足もあるだろうが、本物の温泉地として別府の印象が薄いのではないだろうかと感じた。
地獄巡りにしても、目的のお湯を見るまでに、必ず土産物やさんを通らないといけないようになっているばかりか、富良野のラベンダー関連のお土産が並んでいたり、テレビのキャラクター商品など、別府とは全く関係ない物が数多くおいてある。10年以上も昔のマジックショーグッツが売ってあったのには驚かされた。売店の中には、独自で地獄巡りをモチーフとた商品開発を行い、他の売店でも販売していたりするのだが、どうも商売意識が強すぎて、客をもてなそうとか、客にいい気持ちになってもらおうという気持ちが薄いように思えた。ただ、外国の人にとっては、温泉自体がめずらしいものなので、素直に楽しめたそうである。観光なのだから、あれこれ深く考えるよりも単純に楽しめる人の方が、いい観光ができるのかもしれない。
(ほんだ まさあき)
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