<よかネット>No.51 2001/05
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山の林間学校


 佐賀の七山村で林業を営んでいる諸熊さんが、山中で山菜を採り回る動きは、驚くほど俊敏であり、まさに山の人だった。それはわさび狩りに参加したメンバーのみんなが感じた印象だった。
 この日は、諸熊さんの案内で、わさびをはじめとした山菜をとらせてもらった。諸熊さんは、七山で林業で生計を立て、七山村だけでなく、県下で林業の普及や活性化などに非常に力を入れられている方である。今回は、珍しい「わさびの林間栽培」という言葉に惹かれて、若い女性が中心の総勢12名で、諸熊さんの山に入らせてもらった。私は手入れがなされている山に入ることが初めてだったので、まずその山の美しさに驚いた。わさびやわらびといった山菜に必要な日光を確保するために、木が間引いてあり、ときおり差し込んでくる柔らかい日差しが、山裾一面に広がるわさびの白い花を照らしていた。
 わさびといえば、根っこをすりおろすイメージしかなかったので、てっきりわさびを根っこから掘り起こすものだと思っていたのだが、諸熊さんは葉わさびを栽培しており、根っこは収穫しないのだそうだ。わさびの葉っぱや茎(地上に伸びている部分)をかじってみると、ちゃんとわさびの風味や辛さがあった。諸熊さんは、間引きされた古木に腰掛けながら、わさびの茎と葉っぱに80度のお湯にさらし、氷水で冷やすことで、さらにわさびの風味が引き立つことや、わさびはだいたい3年ぐらいで、若い芽が育つことなどをわかりやすく教えてくれた。その様子は、まるで山の学校教室の授業が始まったかのようであり、私たちは先生の話を聞き逃さないように、必死に聞いていた。
(本田 正明)



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